キャッシュフローに近い概念を理解するには、「実際の現金の動き」と「会計上の利益」の違いを明確にすることが重要です。
損益計算書では減価償却費などの非現金支出項目が費用として計上されますが、キャッシュフロー計算書ではこれらを調整し、企業が本当に生み出した現金を把握します。
税引前・金利支払前利益(EBIT)を基に、非現金支出項目や運転資本変動を加減することで、資金の源泉や使用状況が明らかになります。
非現金支出項目
非現金支出項目は、損益計算書上では費用として計上されるものの、実際には現金が流出しない項目です。
これらはキャッシュフロー計算書で調整されることで、企業の実際の現金収支を正確に反映するために重要な役割を果たします。
減価償却費
減価償却費は、固定資産(建物、機械設備、車両など)の取得費用を、その資産が使用可能と見込まれる期間(耐用年数)にわたって分割して費用化するものです。
キャッシュフローへの影響
減価償却費は現金支出を伴わないため、損益計算書で費用として計上された分がキャッシュフロー計算書で加算調整されます。
例
企業が1億円の機械を購入し、その耐用年数が10年の場合、毎年1,000万円の減価償却費が計上されます。しかし、この1,000万円は実際の現金支出ではないため、キャッシュフロー計算書では加算されます。
貸倒引当金繰入額
貸倒引当金は、売掛金や貸付金などが将来回収不能になるリスクに備えて計上する引当金です。
実際にはまだ損失が確定していないため、現金支出は発生しません。
キャッシュフローへの影響
貸倒引当金繰入額は非現金支出項目として扱われるため、キャッシュフロー計算書では加算調整されます。
例
売掛金1,000万円のうち5%(50万円)を貸倒引当金として計上した場合、この50万円は損益計算書では費用として扱われますが、キャッシュフロー計算書では加算されます。
退職給付引当金
従業員退職時に支払う予定の退職給付費用をあらかじめ見越して計上する引当金です。
これも将来発生する可能性がある支出であり、現時点では現金流出を伴いません。
キャッシュフローへの影響
引当金として計上された分は非現金支出項目として扱われるため、キャッシュフロー計算書では加算されます。
例
従業員退職給付費用として年間100万円を引き当てた場合、この100万円は損益計算書では費用となりますが、キャッシュフロー計算書では加算調整されます。
のれん償却額
のれん償却額とは、企業買収時に発生する「のれん」(買収価格と純資産価値との差額)を一定期間で償却するものです。
これは帳簿上の処理であり、実際の現金流出は伴いません。
キャッシュフローへの影響
のれん償却額は非現金支出項目として扱われるため、キャッシュフロー計算書では加算調整されます。
例
買収した企業の「のれん」が1,000万円あり、それを10年間で償却する場合、年間100万円が損益計算書で費用となりますが、この100万円はキャッシュフロー計算書で加算されます。
税引前・金利支払前利益(EBIT)
税引前・金利支払前利益(EBIT)は、「営業活動による利益」を示す指標です。
この指標は本業による収益性を測定するために利用されます。
性質
EBIT(Earnings Before Interest and Taxes)は、本業による利益から税金や利息など財務的要素を除いたものです。
これにより、本業そのものの収益力やパフォーマンスを評価できます。
営業活動による利益だけを見るため、不動産売却益や金融収益など本業以外の要素も除外されることがあります。
キャッシュフローとの関係
キャッシュフロー計算書ではEBITが基礎となることがあります。
この指標から非現金支出項目(減価償却費など)や運転資本変動(売掛金・買掛金・棚卸資産など)を調整して営業活動によるキャッシュフローを求めます。
具体例
例えば以下の場合
売上高
5,000万円
営業費用
3,500万円
この場合、EBIT(税引前・金利支払前利益)は以下のようになります。
5,000万円 – 3,500万円 = 1,500万円
この1,500万円から非現金支出項目や運転資本変動を調整してキャッシュベースに変換します。
キャッシュフロー計算書との関連
キャッシュフロー計算書は企業活動による実際の資金移動を明確化する財務諸表です。
間接法では損益計算書からスタートし、非現金支出項目や運転資本変動などを調整して正確な現金収支を示します。
間接法による作成プロセス
- 損益計算書から「当期純利益」を基礎とする。
- 非現金支出項目(減価償却費や貸倒引当金など)を加算して調整。
- 運転資本(売掛金・買掛金・棚卸資産など)の変動額を加減してさらに調整。
- 最終的な営業活動によるキャッシュフローが導き出される。
運転資本変動との関係
運転資本とは日常的な事業運営に必要な短期資産と短期負債の差額です。
この変動も営業活動によるキャッシュフローに影響します。
売掛金増加 → 現金流出
買掛金増加 → 現金流入
棚卸資産増加 → 現金流出
具体例
以下の場合
当期純利益
500万円
減価償却費
200万円(非現金支出項目)
売掛金増加
100万円(資産増加はキャッシュアウト)
買掛金増加
150万円(負債増加はキャッシュイン)
営業活動によるキャッシュフローは以下のようになります。
500万円 + 200万円 – 100万円 + 150万円 = 750万円
まとめ
各項目についてさらに深く理解すると以下のことがわかります:
1.非現金支出項目(減価償却費など)は実際には現金流出がないため、損益計算書とキャッシュベースとの差異を埋める重要な要素です。
2.税引前・金利支払前利益(EBIT)は、本業による収益力を見る指標であり、それ自体は重要な分析ツールですが、非現金項目や運転資本変動と組み合わせて初めて正確なキャッシュ状況が把握できます。
3.キャッシュフロー計算書はこれら要素を統合し、「実際に使えるお金」を明確化します。
これらすべてが組み合わさって初めて企業活動全体の健全性や効率性を評価できるようになります。
これらを総合的に分析することで、企業の真の資金力や持続可能性が見えてきます。
キャッシュフローは「企業の血液」とも呼ばれます。
損益計算書の利益とキャッシュフローの差異を理解することが、財務分析の第一歩です。
それぞれの特徴を理解した上で、自分スタイル選びを選択してみてください。
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