FX自動売買で分散投資を行う際、アセットアロケーション(資産配分)を一度設定したら終わりではありません。
市場は常に変動し、当初設定した比率から大きくずれてしまうことも。
そこで活躍するのが、リバランスです。
FX自動売買において、リバランスはポートフォリオのパフォーマンスを維持し、リスクを管理するために重要なプロセスです。
特に、月末は市場の動向が大きく変化する可能性があるため、適切なリバランスを行うことが重要になります。
この記事では、リバランスの重要性、具体的な方法、そしてFX自動売買における活用方法について解説していきます。
この記事を読めば、
- リバランスとは何か?
- リバランスが必要な理由
- リバランスの方法
- リバランスの具体的な例
- リバランスを行う際の注意点
が理解できます。
さあ、リバランスをマスターして、FX自動売買で安定収益を目指しましょう!
リバランスとは?
リバランスとは、あらかじめ設定した基準に基づいて、ポートフォリオ内の資産配分を調整することです。
FX自動売買では、通貨ペアや銘柄の比率が時間経過と共に変化していくため、リバランスが必要になります。
月末リバランスの目的
月末リバランスは、投資戦略を常に最適な状態に保ち、安定した収益獲得を目指せるよう、定期的に行うべき重要な作業なのです。
目標とする資産配分維持
当初設定した資産配分比率を維持することで、投資戦略の方向性を保ち、リスクをコントロールすることができます。
リスク管理
リスク許容度に合わせて、リスクの高い通貨ペアや銘柄の比率を調整し、リスクをコントロール。
適切な資産配分を維持することで、特定の通貨ペアに偏りすぎるリスクを軽減し、ポートフォリオ全体の安定性を高めます。
収益機会の最大化
市場トレンドの変化に合わせて、収益性の高い通貨ペアや銘柄の比率を増やすことで、収益機会を最大化。
適切な資産配分を維持することで、パフォーマンスの高い通貨ペアに資金を集中させ、収益機会を最大限に活用することができます。
月末リバランスの実施方法
データ収集、パフォーマンス指標、分析ツールを活用することで、月末リバランスの準備が整い、より効果的なポートフォリオ調整が可能になります。
ポートフォリオのパフォーマンス分析
月末に、各通貨ペアや銘柄のパフォーマンスを分析します。
データ収集
月末時点で、保有している各通貨ペアのポジション、数量、損益、評価額などを記録します。
各通貨ペアのポジション、数量、損益、評価額などを、丁寧に記録していくことで、現在のポートフォリオの状況を把握することができます。
パフォーマンス指標
次に、パフォーマンス指標を使って、ポートフォリオの成績を評価します。
リターン、ボラティリティ、最大ドローダウンなどの指標を参考に、各通貨ペアのパフォーマンスを分析し、改善点を見つけます。
以下の指標などを参考に、パフォーマンスを分析
リターン
期間中の収益率を計算します。
ボラティリティ
価格変動の大きさを測ります。
シャープレシオ
リスク調整後のリターンを評価します。
最大ドローダウン
期間中の最大損失額を調べます。
取引回数
期間中の取引回数を記録します。
分析ツール
最後に、分析ツールは、この分析作業を効率的に行うための道具です。
Excel や専用の分析ソフトなどを活用すると便利です。Excel や専用の分析ソフトなどを活用することで、複雑な計算やグラフ作成を簡単に済ませることができます。
分析ツールを活用することで、より正確にポートフォリオを評価することができます。
目標とする資産配分との比較
月末リバランスの次のステップは、目標とする資産配分と現在のポートフォリオを比較することです。
目標配分との比較を通して、ポートフォリオの現状を把握し、リバランスの必要性を判断します。
これは、旅行前の必要な荷物を見直す作業と同じように、重要なステップです。
目標配分の確認
まず、目標配分の確認から始めます。
分析結果に基づき、目標とする資産配分とのずれを確認します。
当初設定
リバランスを開始する前に、目標とする各通貨ペアへの資産配分比率を明確に設定しておく必要があります。
例
USD/JPY
50%
EUR/USD
30%
GBP/USD
20%
現在の資産配分の計算
次に、現在の資産配分の計算を行います。
この計算で、どの通貨ペアが目標よりも多く、どの通貨ペアが目標よりも少ないのかがわかります。
ポジションの評価
月末時点で保有している各通貨ペアのポジションの評価額を計算します。
総資産額
ポートフォリオ全体の総資産額を計算します。
配分比率の計算
各通貨ペアの評価額を総資産額で割ることで、現在の資産配分比率を計算します。
目標配分と実際とのずれを計算
このずれが生じた原因を分析します。
パフォーマンスのばらつき、市場の動向、新規投資などが原因として考えられます。
各通貨ペアのずれ
目標配分と現在の配分比率の差を計算します。
例
USD/JPY
目標 50% – 現状 60% = -10%
EUR/USD
目標 30% – 現状 20% = 10%
GBP/USD
目標 20% – 現状 20% = 0%
合計のずれ
各通貨ペアのずれを合計すると、目標配分からの合計ずれがわかります。
ずれの原因分析
ずれが許容範囲内であれば、そのままでも問題ありません。
パフォーマンスのばらつき
各通貨ペアのパフォーマンスが異なることで、目標配分とずれが生じます。
市場の動向
為替レートの変動によって、目標配分とずれが生じます。
新規投資
新しい通貨ペアに投資することで、目標配分とずれが生じます。
リバランスの必要性の判断
最後に、リバランスの必要性を判断します。
しかし、ずれが大きすぎる場合は、リバランスを実行して、目標配分に戻す必要があります。
許容範囲
目標配分からのずれが許容範囲内であれば、リバランスは必要ありません。
調整
目標配分からのずれが許容範囲を超えている場合は、リバランスを実行する必要があります。
具体例
目標配分
USD/JPY 50%、EUR/USD 30%、GBP/USD 20%
現在の配分
USD/JPY 60%、EUR/USD 20%、GBP/USD 20%
ずれ
USD/JPY -10%、EUR/USD 10%、GBP/USD 0%
リバランスの必要性
目標配分からのずれが大きいため、リバランスが必要です。
FX自動売買におけるリバランスの実行
月末リバランスで、目標配分とのずれが生じた場合は、売買注文を実行して資産配分を調整する必要があります。
目標とする資産配分と現在のポートフォリオのずれを修正するために、具体的な行動を起こす必要があるのです。
売買対象の決定
目標配分と比較して、どの通貨ペアを売却し、どの通貨ペアを購入するかを決め、具体的な売買計画を立てます。
目標配分との比較
目標配分と現在の配分を比較し、目標配分を下回っている通貨ペアを買い、目標配分を上回っている通貨ペアを売却します。
例
目標配分
USD/JPY 50%、EUR/USD 30%、GBP/USD 20%
現在の配分
USD/JPY 60%、EUR/USD 20%、GBP/USD 20%
売却対象
USD/JPY
購入対象
EUR/USD
注文方法の選択
次に、注文方法の選択です。
これは、荷物を買う際に、現金で買うのか、クレジットカードで買うのかを決めるようなものです。
指値注文や成行注文など、適切な注文方法を選択し、目標とする価格で取引できるよう、戦略を練ります。
目標価格で取引したい場合は指値注文が有効ですが、市場の急変動などによって、想定外の価格で約定してしまうリスクも存在します。
FX取引では、指値注文と成行注文の2つの注文方法が一般的
指値注文
あらかじめ注文したい価格(指値価格)を設定しておき、その価格に達した時に注文が執行される注文方法。
メリット
目標価格で取引できる可能性が高い。
デメリット
約定保証がない
指値価格に達するまでに、市場が大きく変動し、約定しない場合があります。
スリッページ
市場の急変動により、指値価格よりも異なる価格で約定する場合があります。
成行注文
市場で現在取引されている価格で注文が執行される注文方法です。
メリット
すぐに約定する。
デメリット
目標価格で取引できない
目標価格と異なる価格で約定する可能性が高い。
スリッページが発生しやすい
市場が大きく変動している場合は、目標価格と大きく異なる価格で約定する可能性があります。
取引量の決定
そして、取引量の決定です。
資金管理を考慮し、リスク許容度に基づいて、適切な取引量を設定します。
資金管理
資金管理を考慮し、適切な取引量を設定します。
リスク許容度
自分のリスク許容度に合わせて、取引量を調整します。
ロットサイズ
取引量を表す単位です。
ロットサイズを小さくすることで、リスクを抑えることができます。
例
資金
10万円
リスク許容度
1%
ロットサイズ
0.1ロット (10万円の1% = 1,000円)
注文の実行
最後に、注文の実行です。
これは、実際にレジに行って、お土産を購入するようなものです。
取引プラットフォームで、決めた通貨ペア、注文方法、取引量に基づいて、注文を実行します。
取引プラットフォーム
使用している取引プラットフォームで、売買注文を実行します。
注文内容
注文する通貨ペア、注文方法、取引量などを指定します。
リバランス後の確認
FX自動売買におけるリバランスの実行後には、目標とする資産配分が達成されているか、損益状況はどうか、そして記録はきちんと残っているかなどを確認する必要があります。
資産配分の確認
目標配分との比較
リバランスの実行後、目標とする資産配分が実際達成されているかを確認します。
これは、旅行前に決めた荷物の配分と、実際に詰めた荷物を比較するようなものです。
確認方法
各通貨ペアのポジションの評価額を計算し、総資産額に対する比率を計算します。
例
目標配分が USD/JPY 50%、EUR/USD 30%、GBP/USD 20% で、リバランス後、USD/JPY 48%、EUR/USD 32%、GBP/USD 20% になっていれば、目標配分に近づいていることがわかります。
調整
目標配分と大きく異なる場合は、追加の売買注文を実行して、目標配分に近づけます。
損益の確認
リバランスによる損益
リバランスの実施によって発生した損益を計算します。
これは、旅行中に使ったお金を計算するようなものです。
計算方法
リバランスで売却した通貨ペアの損益と、購入した通貨ペアの損益を合計します。
記録
リバランスによる損益を記録しておきます。
記録
リバランスの内容
リバランスの実施日時、対象通貨ペア、売買注文内容、損益などを記録します。
目的
過去の記録を分析することで、今後のリバランス戦略に役立ちます。
ツール
スプレッドシートや専用の記録ツールなどを活用すると便利です。
月末リバランスの具体的な例
例1
損失が拡大した通貨ペアの比率を減らす
ドル円が目標配分から大きく下落した場合、ドル円の比率を減らし、他の通貨ペアの比率を増やすことで、損失を抑制します。
例2
収益率の高い通貨ペアの比率を増やす
ポンドドルが目標配分から大きく上昇した場合、ポンドドルの比率を増やすことで、収益機会を拡大します。
例3
経済指標発表後の市場トレンドに合わせて調整
月末に発表される経済指標によって、市場トレンドが変化した場合、それに対応してポートフォリオを調整します。
リバランスの頻度
リバランスの頻度は、投資スタイルや市場状況によって異なります。
短期的な取引
頻繁にリバランスを行う(週次、日次など)。
長期的な取引
長期的なトレンドを見据えて、定期的にリバランスを行う(月次、四半期など)。
FX自動売買において、リバランスの注意点
リバランスによる手数料
FX自動売買におけるリバランスは、ポートフォリオの目標配分を維持し、安定した運用を実現するために有効な手段ですが、売買手数料が発生するため、コスト面も考慮する必要があります。
リバランスによる手数料負担
売買手数料
FX会社によって、取引ごとに発生する手数料が異なります。
手数料率
手数料率は、取引する通貨ペア、取引量、取引方法によって異なります。
手数料の発生頻度
リバランスを頻繁に行うほど、手数料の負担が増加します。
手数料負担を考慮する必要がある理由
収益への影響
売買手数料は、リバランスによる利益を減らす要因となります。
コスト意識
手数料を意識することで、無駄な取引を減らし、効率的な運用を実現することができます。
長期的な視点
長期的な視点で考えると、手数料は無視できないコストになります。
手数料負担を軽減するための対策
手数料の安いFX会社を選ぶ
手数料率が低いFX会社を選ぶことで、手数料負担を軽減できます。
取引量を調整する
取引量を減らすことで、手数料を削減できます。
リバランス頻度を見直す
頻繁なリバランスは、手数料負担が増加するため、必要最低限のリバランス頻度で運用します。
自動売買ソフトのリバランス機能を活用
自動売買ソフトによっては、手数料を考慮したリバランス機能が搭載されている場合があります。
スプレッド
スプレッド(売値と買値の差)も取引コストに影響します。スプレッドの狭いFX会社を選ぶことも重要です。
具体例
手数料率
1通貨ペアあたり、0.1%
取引量
100万円
手数料
100万円 × 0.1% = 1,000円
FX自動売買のリバランスを行う前の市場動向
FX自動売買のリバランスは、ポートフォリオの目標配分を維持し、安定した運用を実現するために重要な作業です。
しかし、市場が大きく変動している状況では、リバランスを行う前に、市場の動向を十分に分析する必要があります。
市場変動時のリバランスの注意点
トレンドの変化
市場が大きく変動している場合は、トレンドが変化している可能性があります。
リバランスを行う前に、現在のトレンドを分析し、そのトレンドが持続するかどうかを見極める必要があります。
ボラティリティの増加
市場が大きく変動している場合は、ボラティリティが高くなっています。
ボラティリティが高い状況では、リバランスによる取引が、想定外の損失につながる可能性があります。
予想外のイベント
経済指標発表や政治情勢の変化など、予想外のイベントが発生すると、市場が大きく変動する可能性あり。リバランスを行う前に、このようなイベントの影響を考慮する必要があります。
市場の動向を分析する方法
経済指標
経済指標は、市場の動向を示す重要な指標です。最新の経済指標を確認し、市場への影響を分析します。
テクニカル分析
チャートパターンやテクニカル指標などを用いて、市場の動向を分析します。
ニュース分析
経済ニュースや政治ニュースなどを分析し、市場への影響を把握します。
市場のセンチメント
市場の雰囲気や投資家の心理などを分析することで、市場の動向を予測することができます。
市場変動時にリバランスを行う場合の注意点
リスク管理
市場変動時は、リスク管理を徹底することが重要です。
取引量
取引量を減らすなど、リスクを抑えた取引を行います。
ストップロス注文
ストップロス注文を設定することで、損失を限定します。
様子見
必要であれば、リバランスを延期し、様子を見ることも検討します。
具体例
市場が大きく変動している状況
原油価格が急騰している状況
リバランスの必要性
原油関連の通貨ペアの配分を調整する必要がある。
市場分析
原油価格の動向、経済指標、ニュースなどを分析し、原油価格が今後も上昇するかどうかを判断する。
判断
原油価格が今後も上昇すると判断した場合、原油関連の通貨ペアの配分を増やす。
自動売買ソフトの機能
利用しているFX自動売買ソフトがリバランス機能に対応しているかを確認しましょう。
FX自動売買におけるリバランスは、ポートフォリオを目標配分に近づけるために重要な作業ですが、自動売買ソフトがリバランス機能に対応しているかどうかは、成功の鍵を握ります。
リバランス機能に対応していない自動売買ソフトの場合
手動でのリバランス
リバランスは手動で行う必要があり、手間と時間がかかります。
機会損失
市場の変動が大きい場合は、手動でのリバランスが遅れてしまい、利益機会を逃してしまう可能性があります。
リスク増加
手動でのリバランスは、人間の感情に左右されるため、誤った判断をしてしまい、損失を拡大してしまう可能性があります。
リバランス機能に対応している自動売買ソフトの場合
自動リバランス
設定したルールに基づいて、自動的にリバランスを実行します。
効率的な運用
手動での作業が不要になり、時間と労力を削減できます。
機会損失の抑制
市場の変動に迅速に対応することで、利益機会を逃すリスクを軽減できます。
感情的な判断の排除
自動化によって感情的な判断を排除し、より合理的な取引を実現できます。
リバランス機能の確認方法
自動売買ソフトのマニュアル
マニュアルでリバランス機能の説明を確認します。
サポート窓口
自動売買ソフトのサポート窓口に問い合わせて、リバランス機能の有無を確認します。
デモ口座
デモ口座でリバランス機能を試すことができます。
例
対応している自動売買ソフト
“〇〇自動売買”
リバランス機能
目標配分を設定すると、自動的にリバランスを実行する機能
設定
リバランスを実行する頻度、許容範囲などを設定できます。
まとめ
FX自動売買において、リバランスは、市場環境の変化に対応し、常に最適な資産配分を維持するための重要な作業です。
FX自動売買における月末リバランスは、ポートフォリオのパフォーマンスを維持し、リスクをコントロールする上で重要な役割を果たします。
FX自動売買のリバランス実行は、目標とする資産配分を達成するために、具体的な行動を起こす一連の作業です。適切な手順を踏むことで、安定した収益獲得を目指せるのです。
適切なリバランスを行うことで、FX自動売買をより効果的に活用し、安定した収益を目指せるでしょう。
特に初心者にとっては簡単に始められますが、リスクを完全に排除することはできません。
FXそれぞれの特徴を理解した上で、自分スタイルを選択してみてください。
FX自動売買 コピートレードで資産を増やしていきたいと考えている人は、勝てるコピートレードの選び方やEAの仕組みを知らなければいけません。
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そしてMQLプログラミングをご存知ですか?MT4内でコードを書いていき記述するのですが、
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